奥歯を守って「歯の力」を長持ちさせよう

「人生100年時代」といわれる今、健康で自分らしく過ごすためには、歯の存在が欠かせません。
食事や会話を楽しむことは、歯があってこそ成り立ちます。
今回は、奥歯の寿命や働きについてお話しします。
歯の役割を再確認
歯の役割は「食べ物を噛む」だけではありません。私たちの生活を支える多くの働きがあります。
- 食べ物を細かくする
よく噛むことで胃腸への負担を減らし、栄養を効率よく吸収することができます。 - 食事の楽しさを広げる
歯ごたえや歯ざわりを感じることで、味覚が豊かになり、食事がより楽しくなります。 - 異物を見分ける
硬いものなどを噛んで気付くことによって、体内に入らないように防ぎます。 - 会話を助ける
発音を支えるのも歯の大切な役割です。前歯を失うと「サ行」の発音が、奥歯を失うと「ハ行」や「ラ行」の発音が不明瞭になりやすくなります。 - 表情を形づくる
歯並びや咬み合わせは顔の輪郭を整え、若々しい表情を保ちます。 - 体の力を引き出す
奥歯でしっかり噛みしめることにより筋肉のバランスが整い、運動時などに瞬発力を発揮しやすくなります。
奥歯が生み出す「歯の力」
歯の中でも「奥歯(大臼歯)」は特に重要です。食べ物をすり潰すのが主な役割であり、前歯の4〜5倍もの力がかかります。その力は体重に相当するほど強力です。
そのため、奥歯が1本失われただけでも噛む力は約40%も低下するといわれています。私たちが想像する以上に、奥歯は日常生活の質に直結しています。
奥歯の寿命は意外と短い
厚生労働省の調査では、前歯の平均寿命が60〜66年であるのに対し、大臼歯は50〜58年と、約10年も短いことがわかっています。
理由のひとつは構造にあります。
奥歯は噛む面に深い溝があるため、食べかすや歯垢が残りやすく、むし歯や歯周病のリスクが高いのです。さらに、噛む力による大きな負担が加わり、ダメージが重なりやすいことも寿命を縮める要因となります。
奥歯を守るために
奥歯の健康を長持ちさせるには、毎日のセルフケアが欠かせません。特に奥歯の溝は歯ブラシが届きにくいため、意識して丁寧にみがくことが大切です。フロスや歯間ブラシを取り入れるとより効果的です。
また、歯科医院での定期的な検診やクリーニング、フッ素(フッ化物)塗布は奥歯を守る大きな助けになります。歯がしみる、噛みにくいなどの小さなサインを見逃さず、早めのケアを心掛けましょう。
まとめ
歯には噛む以外にも多くの役割があり、特に奥歯は歯の力を支えるうえで重要な役割を担っています。しかし、奥歯の寿命は前歯よりも短く、奥歯がない状態を放置すると生活の質に大きく悪影響を与えます。日々のケアと定期的な歯科受診で奥歯を守り、歯の力を長く保ちましょう
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